レビュー祭

おどろおどろどろどろに思わず･･････。 / 01:FT / c:シリアス

夢の呪言 / 01:FT / c:シリアス
番外編注意事項：性別注意事項なし / 暴力表現あり / （本編年齢・性別注意事項なし） / （本編暴力表現あり）
読者的キーワード：魔物の描写

うまい。
短い物語に、説明っぽさなしに語られる「物語」のある世界の情報。ルシとラヴァスのこと、彼らがどうして旅をしているのかが、うっすら･･････。しかも、その真の理由は本編を読まないとわからないという、心くすぐるにくさ･･････（笑）。
おかげで、本編には即ブックマーク。素敵だ。この企画の真の意図がようやくわかった気がする（笑）。
しかも、世界にはいろんな国があって、それが独自の生活環境をもっていること。そういう設定がちょこっと入っているのが、（この短編にはいらんだろ）と思いつつも、世界の広がりを見せてくれる。

一番、衝撃だったのは、魔物のおどろおどろしさの描写！　戦闘シーンはまさに息をのんでしまったし、魔物が馬をぐっちゃぐちゃにしてしまうシーンは、眉をひそめてしまった。だって情景が浮かぶんだもんなぁ。うひゃー･･････。
その魔物が現れた理由、斬れない理由、そういうものにも「ルシ」という存在が語られていて、そういう演出に「ほほう」と思ってしまうのです。

そして心理描写もいい。ルシなんて、その出生からものすごい力を持っているだろうに、気持ち的には不安だらけ。なんつー弱弱しさ。だけど、それでも何か頑張ろうとしてる強さがあって、そんな彼がどんな旅を繰り広げているのか、本編読んで知りたくてたまらなくなっちゃって。

危なさのない文章による描写。少しの時間でしたが、満足いたしました。ありがたや。