同情できてしまう心の垢。 / 04:現代 / c:シリアス

真・家族~「妹」という名のもとに / 04:現代 / c:シリアス
番外編注意事項:なし
読者的キーワード:非正義

「僕は妹のことが嫌いだ」という、なんとも辛らつな言葉から始まるこの話。そして兄の口からは妹の悪口が次々と出てくる。褒めた言葉などひとつもない。そう言っているこの兄のほうこそ性格がひどいんじゃないの? と最初は思うのだが、話が進むにつれ、だんだん兄のほうに同情を覚えてくるのである。
 家族には法で定められた建前の家族と、心でつながった本音の家族があって、この「兄」はそのことにジレンマを感じ続けている。そして本音の家族と一緒になれる方法をあれこれ模索し続ける。「真・家族」とはうまく言ったものだ。ややもするとこの「兄」の考え方は邪悪であったり、はっきり言って道理に欠けた風に見えるのだが、それは人間の心の垢。ああ、そんな邪悪な妄想にふけったりすることはあるよな、と微笑みながら同情できてしまう。そう、心の垢の部分の見せ方も、この小説の醍醐味だったりして、それがかなり面白かった。

:07/11登録

自己紹介

真・家族〓「妹」という名のもとに
概要: 番外編:真・家族〓「妹」という名のもとに 本編:青潟大学附属シリーズ 注意事項:  性別注意事項なし / 表現注意事項なし / (本編年齢・性別注意事項なし) / (本編表現注意事項なし) 作者名:舞夜じょんぬ...
From: 禁じられた言葉---番外編競作2---
Date: 2004年07月11日 16:11
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