心に染みるおバカさんのお話。 / 01:FT / a:ハッピー

何のとりえもないけれど/01:FT/d:ハッピー
番外編注意事項:性別注意事項なし / 表現注意事項なし / (本編年齢・性別注意事項なし) / (本編表現注意事項なし)
読者的キーワード:投身は痛いのでやめましょう。
※まず最初に、当企画の参加資格である「条件3)本編未読の方でも読める内容であること。」に則り、私はどの番外編も本編は一行たりとも読んでいません。その上でレビューしていますので、本編を読めば解ると思われることなども、敢えて番外編のみの作品として捉えて書いています。 その点に関する誤読等ありましたらご容赦ください。

まず、カリアラの純粋さに目がいきました。
でも、次第にサフィギシルの心情の方へと移っていきました。
彼は作中、自分がどれだけカリアラのことを罵倒してきたのかと苦悶していますが、読んでいる私には、その罵倒の根底には何か深い絆があるように思えてならないのです。
親愛。友愛。どんなきっかけで彼らの間にそんな絆が生まれたのかわかりませんが、カリアラのことを近しい人間だと思うからこその、サフィギシルの「禁句」はあるのではないかと思うのです。
ピィスやシラの真っ直ぐな友情(シラの場合、真っ直ぐじゃない気もしますが…)もとても素敵ですが、素直ではないサフィギシルにとっては「禁句」こそが、ピィスやシラが表現する感情と同じものではないかという気がします。

そして、渦中の人物であるカリアラの方へ目を戻すと、やっぱり彼は純粋で。
とても強い、と思わされます。
理由に納得できるから、という理由だけで、罵倒されることを許せてしまう彼は、純粋で強いのだなぁと。
そんな彼だからこそ、サフィギシルのどんなにひねくれた感情表現にも惑わされず、その奥底に隠れる絆を感じ取っているのかもしれません。
悩むサフィギシルのために自らの体がどうなるかも顧みず飛び降りる、そんな強い信頼にほだされない人間はいないと思うのです。

だからこそ、読後感に強く思いました。
こんな風に互いに思い合える相手がいることは「ハッピー」なことなのだなぁ、と。

余談。
シラのおかげで「たおやかでどこか儚げな人魚」のイメージは物の見事に打ち砕かれました。
……野放しにしていていいんですか、この人……。

:07/07登録

自己紹介

何のとりえもないけれど
概要: 番外編:何のとりえもないけれど 本編:人喰い魚が人になる 注意事項:  性別注意事項なし / 表現注意事項なし / (本編年齢・性別注意事項なし) / (本編表現注意事項なし) 作者名:古戸マチコ...
From: 禁じられた言葉---番外編競作2---
Date: 2004年07月08日 07:17
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