救われたいのはきっと自分 / 01:FT / d:ライト

迷子の救世主/ 01:FT / d:ライト
番外編注意事項:なし
読者的キーワード:愛されたい

 少し、胸が痛い。そんな読後感だ。
 胸が痛いのはなぜだろう。自分は救世主だと信じていた主人公の夢が、現実を知るごとに少しづつくずれていったから? 少年が妹のことをその身体を舐めたいぐらいに愛していたから? 話の背景がいろんな意味で夢がくずれた1999年だから? 妹の呼び名が「ロリコ」だから? 目の前に小さな虫が飛んでいるのが特殊能力かと思ったら、単なる飛蚊症(ひぶんしょう)だったから?
 特に、ゴミ置き場に捨てられていた女の子のくだりのところから、急に胸が痛くなった。そう、たぶん、大抵のみんなや私は、人を助けられるほど強くなくって、何かに助けられたいのだけど、そんな救世主なんかそうそういなくて、ただ悲しい現実や不具合な出来事の前で、唇をゆがめていることしかできなかったりする。
 ヒーローになりたい。でも、救われたいのはきっと自分。愛したい。でも愛されたいのはきっと自分。そんな気持ちをここから感じたから、きっと胸が痛かったんだ。

:09/22登録

自己紹介

迷子の救世主
概要: 番外編:迷子の救世主 本編:零式 注意事項:  性別注意事項なし / 表現注意事項なし / (本編年齢・性別注意事項なし) / (本編表現注意事項なし) 作者名:HFK
From: 禁じられた言葉---番外編競作2---
Date: 2004年09月23日 11:13
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