番外編 [ 4作品 ]

 この「番外編」カテゴリでは、当サイトの主催企画、【その花の名前は〜番外編競作〜】より本編未読であろうとも読むことができる番外編をご紹介させていただいております。

謝肉祭 (鈴子著) 番外編直リンク 本編直リンク HOME

ジャンル:異世界ファンタジー 花カテゴリ:紫色の花
本編:『イアナ戦記』…長編/連載中
紹介文:
 年に一度の謝肉祭、ラウリーは“その日”のためにドレスづくりに悪戦苦闘。
 部屋にこもって繕った甲斐もあって、何とか当日には間に合ったものの……?
 賑やかなるかな、秋の祭りで少女に起こった珍事(?)を是非ともご覧あれ!

冒頭文章抜粋:

 ロマラール国の秋、ライニ神の守護月は、一年に一度行われる謝肉祭を楽しみにする人々で、通常よりも賑わう。山も色づいて華やかで、果物も穂もたわわに実り、そこに暮らす人の体と心に満足を与える。お腹いっぱいの美味しい食事は心を豊かにするもんだ、とは、誰が言った言葉だったか。
 狩猟と農耕で毎日を汗する平民が、開放される日でもあった。
 だが、このせっかくの行事をあまり楽しみにしていない、珍しい者もたまにいる。
 この謝肉祭に着るドレスは自分で縫わなければならない、という習わしがあるのだ。

2003.09.02 現在
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Choosing of girl -何でも屋の日常 (Kimy著) 番外編直リンク 本編直リンク HOME

ジャンル:近未来SF 花カテゴリ:黒い花
本編:『ムーンピラーズ』…長編/連載中
紹介文:
 少女マルシェは逃げていた。ステーションの中を懸命に、組織の追っ手から逃れるために。
 そうして少女は、何でも屋、キイ・マスターの船、XEX(ゼクロス)に乗り込むことになったのだが……追っ手はマルシェを諦めてはいなかった。
 SFが苦手であろうとも臆することなかれ――肩の力を抜いて、いざ、乗船を。

冒頭文章抜粋:

 1人の少女が、人込みの中を歩いていた。
 年の頃は、12、3歳か。長い栗色の髪を2つに束ねた少女は、アーチロードからゲートに向かう大人たちの姿の波に逆らって歩いていた。ゲートに向かう者たちは、技術者やパイロット、あるいは旅行客など――立場は違えど、最も安全と言われる大規模宇宙ステーション、シグナ・ステーションに立ち寄った航宙機のクルーには違いない。
 今は、ステーション内は昼間ではなかった。はるか頭上の人工太陽の光量が、一番減少している時間帯である。
 このような深夜でも、子どもが活動しているのは珍しくない。様々な軌道や自転速度の惑星から、その住人がやってくるのだ。昼夜など、あってなきがごとし、である。

2003.08.13 現在
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花と蜜蜂 (風森桜子著) 番外編直リンク 本編直リンク HOME

ジャンル:異世界ファンタジー 花カテゴリ:その他の花
本編:『魔術師の師匠と弟子と精霊と』…長編/連載中
紹介文:
 麗らかな日差しの下……少女は笑みを垣間見せ、魔術師は彼女を花に喩え、精霊は彼に軽く嘆息する。
 それはいつもと変わらぬ風景。
 それは、まだ何も知らない“花”を見守る、優しい優しい午後のお話。

冒頭文章抜粋:

 いつもと何ら変わらない、そんな春の午後の話をしよう。

 温かい光が優しく流れる小川に反射し、きらきらと粒になって水面に踊っている。その向こう側は赤、青、黄、色とりどりの花が地面を覆い、まるで海に起こる波のように、風でそよいでいた。そこに、ひとりの少女が立っている。彼女は魔術師の証である黒いローブに身を包んでいた。小川を挟んでこちら側に向かって大きく手を振る。彼女の短い髪は降り注ぐ光のような明るい色だった。

2003.08.13 現在
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夢の花 (葉山郁著) 番外編直リンク 本編直リンク HOME

ジャンル:異世界ファンタジー 花カテゴリ:紫色の花
本編:『人質とあたし』…長編/連載中
紹介文:
 姿を消した青年を追って、少女は泉のほとりに咲いた花に出会うこととなる。
 急ぐ心とは裏腹に、少女の意識は花の放つ芳香と共に夢の狭間へ落ちていくが……。
 ――“想い”宿った夢の世界、そうっと扉を開けてみませんか?

冒頭文章抜粋:

 初夏の空気のやるせなさは、森の傍にいけば少しはましになる。途絶えることのない蝉の声が世界を支配して、ふっと熱で歪んだ空気の合間に入り込んだように、奴の姿が見えなくなった。
 だけど幻想とは程遠い神隠し。御伽噺や神話が入る余地もなく別に不自然でもなんでもない、十にならない子どもはみんな迷子予備軍で、少し目を放せば風にのるタンポポの綿毛よりもかるーくどこかに飛んでいく。
 あたしはこめかみを押さえた。痛む部分を指の腹で向こうに追いやるようにして考える。
 まさか森に入ったんじゃあ、ないでしょうね。馬鹿から大馬鹿の呼び名に変えた方がいいかもしれない。いやもうなんというか、ラーシャって名をいっそ馬鹿の代名詞みたいにした方がいいかもしれない。

2003.08.13 現在
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