か行の作品 [ 3 ] [ 2 ] [ 1 ] ※1ページ5作品ずつ
ジャンル:現代もの
長さ:短編/読みきり
紹介文:
上野のアメヤ横丁にひっそりとある脇道に構えられた店『十字路』――「俺」がそこへ赴くときは、自分へ向けられた窮屈さを解放するとき。……独特の文体で綴られた考えられる作品。
行間・パラグラフが少ないため読みづらいが、一人称で語られる内容は面白い。
冒頭文章抜粋: 蒸せかえるような湿気、結露した窓ガラス。――外は雨が降っていた。仕事はまだ見つからない。昨日も面接で落とされた。落とされたというよりも、落とされるようなことをしてしまったというのが正確な所だ。相手に言わせれば『覇気』というものが足りないらしい……。薄暗い面接会場で、当たり前だが面と向かって面接官に言われた。更に、そんな人間は能力があったところですぐに辞めるだろうから雇いたくは無い、とも言われた。 |
2002.01.20 現在
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ジャンル:SFファンタジー
長さ:大河/連載中(不定期)
紹介文:
未来(西暦4000年代)を舞台にしたSF色あるファンタジー。
硬派な雰囲気を漂わせる文章が実に心地いい。人物たちの内面描写は少なめだが、それがまた、作品にプラスの影響力を持っているのが珍しい。思いも寄らぬ展開を期待したい方オススメ。
冒頭文章抜粋: カサンミルが統治権を持つ惑星ハートン。 『ブルーカラーランド』と呼ばれるこの星の大陸西半分は、ここ百年で加速した砂漠化により緑は失われ、薄茶色の景色が広がっていた。その呼称の通り、この地域には労働者として身を窶(やつ)す人間が多く住んでおり、また惑星外からの非合法に渡航する犯罪者の数が全人口のかなりの割合を占めていて、治安を悪化させている。 |
2001.10.08 現在
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ジャンル:現代もの
長さ:短編/読みきり
紹介文:
まったく、腹が立つったらありゃしない――。態度が変わり始めた妹に「わたし」は不安を覚え始める。一体、わたしが何をしたというの……?
妹と2人で暮らす「わたし」が主人公の一人称で、心の動きがわかりやすく、没入しやすい現代小説。展開がかなり急ではあるが、文章も長さもテンポよく読んでいける作品。
冒頭文章抜粋: 「このばかっ!」 わたしが怒鳴ると、妹は不機嫌そうに眉をひそめた。しゃがみもしないで、器用に靴を脱いでいる。わたしは妹のその動作に、えらく不機嫌になっていた。 「なに」靴を脱いで上がりこんでくると、妹はわたしを無視するように廊下を歩き出した。香水の匂いが鼻をくすぐる。妹はわたしを睨みつけて言った。「なにか文句あるの? 遅くなるってメールしたじゃない」 「大有りよ」 |
2001.09.13 現在
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ジャンル:異世界ファンタジー
長さ:大河/完結(シリーズ1話完結)
紹介文:
夢に翻弄される剣士グレイ。彼がある日出会ったのは、不遇の少年エリー。あらぬ殺人の嫌疑から逃れるために旅に出る二人と、グレイの夢に出てくる魔物を追う異世界ファンタジー。
リアリティのある世界観と作品構成力に、1話1話増えていくごとに魅力が増す小説。一部、残酷的とも思える描写もあるので、読む場合は少しばかりお覚悟を。
冒頭文章抜粋: 古き知を軽んずるなかれ いくらかは真実のかけらが含まれているものだ 神話は語る まだリグウの天と地と海とが 神が始めに作られた形だった頃 大いなる黒い魔獣が暗黒より現れた |
2001.06.06 現在
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カルテット (zero-zero著) 作品直リンク HOME
ジャンル:ファンタジー
長さ:大河/連載(不定期)
紹介文:
雷鳴轟く中を、馬車は山間を疾走した。一条の光が曇天を駆け抜け、そして、浮かび上がった城壁の中へ、彼は姿を消した。やがてそこが、自分と同じ境遇の少年たちの、過去を、想いを馳せる場所になるとは思わずに。
――4人のエルフ部族の少年たちの、過去・現在・未来が錯綜する中で、通いあう心情、眠っていた記憶、それらが掘り起こされてくる奥行きが深い作品。じっくりと小説を読みたい方には、まさにオススメ。
冒頭文章抜粋: 嵐がやって来る……。 御者の息子は、遠くの山陰に目を向けた。 カッと閃く遠雷が、鋭い峰がいくつも伸びる暗い谷を、鮮やかな青紫に染めあげていく。 雨の匂いだ。重たい黒雲がのしかかる遠くの山の頂きあたりが、ぼんやりと灰色に煙っている。 少年が見渡すと、谷の向こうの峰々はすっかり、重たげな霞の中に姿をくらましていた。 夏場の嵐は足が速い。すぐにもここへやって来るだろう。 |
2001.08.25 現在
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